【暴落】ビットコインはどこまで「詐欺」か?通貨の本質から見た仮想通貨騒動

「ビットコインは詐欺」発言にマイニング企業が反論

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最近、ビットコインをはじめとする、いわゆる仮想通貨についての記事を目にする機会が増えています。急激な価格上昇が投機マネーを引き付け、決済や資金調達上の用途が広がる一方で、急暴落したり北朝鮮によるハッキングの対象になるなど、様々な話題を提供しています。

一般的な通貨であれば、法定通貨なら政府や中央銀行、預金(通貨)なら民間銀行というように、特定の管理主体が存在し、発行量も経済状況などに応じて変動します。

ところが、仮想通貨に関しては、そうした特定の管理主体は存在せず、発行量や発行ペースは予め決まっています。ビットコインの場合には、インターネット経由で取引認証を処理した「マイナー」と呼ばれる不特定の参加者に報酬としてその都度付与する形で、決まったペースで新規発行されています。

このビットコインを「詐欺」と評したのが、世界の金融業界の大物の1人で、アメリカ大手銀行JPモルガンチェースのCEOであるジェイミー・ダイモン氏。

対して、ビットコインのマイニング企業、MGTキャピタルのジョン・マカフィー氏は、以下のように反論しています。


『ビットコインが詐欺とはどのような意味でしょうか。私はマイナーであり、ビットコインをマイニングによって生み出しています。1ビットコインをマイニングするには1000ドル以上のコストが計上されます。

その反対に、USドルを生み出すにはどの程度のコストが掛かるのでしょうか。USドルは紙幣を刷れば生み出せますが、ビットコインはプルーフ・オブ・ワーク(注:取引認証のこと)のために大量のCPUパワーとハードウェアを動かす電気が必要になります。

詐欺的なのはどちらなのでしょうか。』



要するに、ビットコインの方が米ドルよりも発行にコストがかかるため、価格が上昇するのは当然、という理屈。おなじみの「金属主義」の発想にも似た、「原価主義」ともいうべき反論でしょうか。

しかしながら、通貨を受け取る人にとって、発行コストにいくらかかっているかなど、明らかにどうでも良い話です。問題はむしろ、他人からも価値を認められ、支払手段として使えるかどうかでしょう。


発行コストが高いビットコインは時代に逆行している

では、通貨はなぜ社会で通用しているのか。三橋貴明さんも述べておられるように、通貨は元々誰かの債務証書として発行され、その「債権」としての経済価値が社会に認められることで定着したもの。

中央銀行が発行する法定通貨であれば、多くの人が支払い義務を負っている「税金」の支払手段に使えることが、究極的には価値の裏付けとなっています。

むしろ、取引を円滑化する観点からは、発行・流通コストは安い方が望ましい。そもそも、債務証書という本質からすれば、財力に乏しい人ほど発行ニーズがある訳で、そのコストが高い方が価値も高いなんて、仕組みとしては明らかな欠陥ですよね。

だからこそ、通貨の素材は金属から紙、そして形の無いデジタルデータへと、より低コストに「進化」してきたのです。「素材価値の高い通貨」といえば真っ先に思い浮かぶであろう金貨にしても、古代ギリシャのリディア王国でなぜ最初に造られたのかといえば、砂金が豊富に採れた同国では金はむしろ低コストな素材だったから、と考えればつじつまも合っています。

裏を返せば、高コストなビットコインは、そうした進化に逆行しているのです。


17世紀オランダのチューリップより危うい

そもそも、誰の債務でもない仮想通貨には、究極的な価値の裏付けが存在せず、通貨としての根本要件が欠落しています。仮想通貨による取引を成立させているのは、「他人がもっと高値で買ってくれる」という単なる投機的な思惑だけ。すなわち、仮想「通貨」と呼ぶこと自体が、そもそも誤っているのです。

また、ダイモン氏も述べているように、投機対象として見ても、実用性があるだけ、17世紀オランダで投機の対象となったチューリップ球根の方がまだましでしょう。

こうした危うい実態があるにもかかわらず、今や日本の個人が取引の主役ということで、ネット証券をはじめとして、仮想通貨を「事業」として扱おうという企業が増えているようです。

バブルが崩壊して人々が損失を被っても「自己責任」で押し切るのでしょうが、北朝鮮関連の政治的リスクも存在する中で、あまりに無責任な態度ではないでしょうか。





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